2015年02月26日

寄稿「社内英語公用語化」への取り組みとその問題点〜多聴多読マガジン4月号別冊『英語スピーキングに強くなる』より

 この度、コスモピア教育事業開発部では、企業および大学等などで、社員、学生の皆様の語学研修およびグローバル人材育成に日頃より取り組まれていらっしゃる方々に向けた情報を、弊社の取り組みも含め、ご案内ならびにご提供させていただくために本ブログを開設させていただきました。

 今回は、弊社でも研修講師を務めて頂いている佐藤洋一氏より多聴多読マガジン4月号別冊『英語スピーキングに強くなる』に寄稿いただいた「社内英語公用語化」への取り組みとその問題点、について一部抜粋にて掲載をさせていただきました。グローバル人材育成の一助として、ご参考にしていただけましたら、と存じます。


社内英語公用語化」への取り組みとその問題点

 グローバル化時代の到来に伴い、数多の日本企業で生き残りをかけた取り組みがなされている。楽天の英語公用語化は社会的な話題となった。これもグローバル化への取り組みのひとつといえる。以降、様々な企業で英語を公用語にしようとする取り組みがなされてきている。
 筆者はそのようなグローバル化対策を試みる日本国内の様々な企業で、ビジネス英語トレーニングに携わっている。このような積極的な取り組み自体は賞賛されるべきものであると思うが、問題点も少なからず明らかになってきている。
 そこで、社内英語公用語化への取り組みを進める企業での事例をもとにして、日本人同士が英語でビジネスを行う際の問題点をいくつか紹介し、今後取り組むべき課題を考えてみたい。
 英語が必要不可欠な海外事業部から公用語化をスタートした会社の例をみてみよう。

(1)反対意見の述べ方の問題点

 筆者は東京に拠点を置く日本企業のA社を取材した。国内市場の縮小傾向に伴い、海外での事業展開を余儀なくされているという。現状では英語でのビジネスを円滑に行える社員が限られており、有望株の若手社員に対し、国内での基礎的な英語力の向上のための集中研修と、海外生産拠点での職業内訓練 (OJT) を組み合わせ、海外で活躍できるグローバル人材の育成を試みている。このようなトレーニングを経て帰国した社員は海外事業部に所属し、今度は本格的に海外に向けた事業展開に従事する。
 この海外事業部では英語を公用語とし、外国籍の社員を相手にする場合だけで なく、日本人社員同士でも書類作成、会議、プレゼンなどすべて英語を用いる。ゆくゆくはこの部署を中心に、社内全体で英語公用語化を進めていく方針だ。
 楽天と大きく異なる部分は、会社組織全体で英語公用語化は進めず、英語が必要不可欠な部署で、英語を公用語としているという点だ。
 このような取り組みを始めてから、2015年2月現在までにすでに4年近く経っている。巨視的には社員の英語力は向上している。特に海外事業部の社員のTOEICの平均点は、取り組み実施前と比べて、170点向上した。
 一方、外国籍の社員の声を聞くと、このような取り組みの後、顕在化してきた問題も実に多いという。例えば、会議で日本人社員が不同意を示す際、外国籍社員には理解が困難である。“Well,Steven, I agree with you mostly, but in reality, it’s very difficult to do so, because ... ”(スティーブン、私はあなたの意見にほぼ賛成ですが、それは実際問題むずかしいでしょう。なぜなら、......)のような英語使用が日本人社員に共通してみられる。日本人としては、不同意を示す際、前置きを述べてから反対意見を述べるのが相手への好ましい配慮だろう。しかしながら、外国籍の社員にとってはこれが非常にわかりずらい。
 反対意見を述べる際、このような前置きを入れること自体が悪いのではない。むしろ問題なのは、前置きを入れてしまったことで、結局、反対なのか賛成なのかが、わかりにくい表現になっていることだ。


 この続きは、多聴多読マガジン4月号別冊『英語スピーキングに強くなる』P48をご覧下さい。
 また、上記雑誌への掲載原稿以外につきましても、関連事項について、今後本ブログにて掲載をさせていただく予定です。ご期待下さい。

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■■■執筆者プロフィール■■■

-1.jpg 佐藤洋一(さとう・よういち)
 青山学院大学、放送大学でも教鞭をとる。また、東京大学大学院総合 文化研究科博士課程に在籍。専門はビジネス英語談話分析。ビジネス 現場での実践と、学術的な観点の両側面からグローバル時代のビジネ スコミュニケーションのあり方を模索している。著書に『グローバル ビジネス英会話Basic』(共著、アルク、2011年)、『グローバル化 時代の外国語教育学研究』(共編著、MAYA consortium, 2014年)  など。2015 年からは コスモピアでも研修講師を担当。
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