2015年04月01日

ノート2(開) 新刊のご案内

th.jpg シャドーイング・音読でマスターする 中国語会話 初級編

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 著者:古川典代
 A5判222ページ+MP3音声付き
 本体価格2,100円+税


 ■英語で大きな成果を上げている学習法を中国語にも
  シャドーイングと音読は、「聞く力」「話す力」「読む
 力」を同時に高めることができる学習法。聞き取った模範音
 声をそっくりそのまま真似て声に出し、コンマ何秒遅れで影
 のようについていくシャドーイングと、文字を見ながら声に
 出して読む音読は、文字と音を頭の中で一致させ、使える中
 国語をマスターするのに抜群の効果があります。


■短い会話で練習
 繰り返しシャドーイングしたり音読するのであれば、留学や仕事の現場で実際に使われている「生の」中国語を使いたいものです。本書の学習素材は、 会社や日常生活の10場面、計40の短いダイアローグがメイン。勉強のための勉強ではなく、ごく自然な表現が身につきます。

■会話はストーリー仕立て
 主人公は仕事歴3年、中国語学習歴1年半、25歳の会社員の西田美代。この名前はちょうど第1声、第2声、第3声、第4声の組み合わせです。北京 支社に2週間の研修に行くことになり、空港に着いた場面からストーリーが始まります。ホテルにチェックインし、北京支社で顔合わせをし、歓迎会に 参加し、研修が終わって帰国。今度は北京から中国人社員が来日し、東京の観光名所を案内したり、静岡の実家に招いたりします。

■6ステップトレーニングで完全消化
1.何も見ずに音声を聞きます。音声はスローとノーマルの2種類が用意されています。
2.文字を見ながら音声に合わせて発音。語注と日本語訳で意味も確認します。
3.文字を見ずにシャドーイングに挑戦。
4.ピンインを見ながら音読し、正確な発音をマスターします。
5.声調記号を見ながら音読します。
6.日本語音声を聞いて、即座に中国語に変換して発音。中国語、日本語の双方向の変換がこなせるようになれば、もう完全です。

■音声はMP3形式で2時間4分
 本書付属のCD-ROMにはMP3音声を収録。Windows、Macいずれのパソコンでも利用できる一般的なフォーマットです。MP3に対応していない音楽CDプレーヤーでは再生できませんのでご注意ください。

[電子版サンプルをご覧頂けます]
posted by Paperback Writer at 23:38| Comment(0) | 日記

「伝わるだけの英語」から「評価される英語」へのステップ・アップ(1)

 これまでに引き続き、多聴多読マガジン4月号別冊『英語スピーキングに強くなる』に佐藤洋一氏より寄稿いただいた「社内英語公用語化」への取り組みとその問題点、に続く内容をお届け致します。引き続きグローバル人材育成の一助として、ご参考にしていただけましたら、と存じます。

「伝わるだけの英語」から「評価される英語」へのステップ・アップ(1)


 グローバル化への対応を視野に入れた取り組みとして、社内英語研修を取り入れている企業は増えつつある。リクルートが実施した『グローバル人材マネジメント実態調査2011』では、実に日本企業の7割以上が、社内英語研修の実施に意欲的であるという結果が報告されている。

 さて、先日の投稿でこれからのグローバル化社会において求められる英語使用の評価基準として、「評価される英語」の重要性について触れた。英語が話せることと、英語でビジネスを行うことは似て非なるもので、グローバル化社会において求められるのは、後者の方であることは論を俟たない。さらに、ビジネスシーンで用いる英語は、「伝わるだけの英語」から脱却し、「評価される英語」である必要がある。問題は、その「評価される英語」とはいかなるものかということになるわけだ。

“Do you have a pen?” “Yes, I do.” が通じない日

 先日、企業研修で訪れた企業で、英語に不慣れだと思わしき日本人社員(社)が、外国からのビジター(ビ)と思わしき人物と以下のような会話をしている場面に偶然出くわした。

ビ:“Oh, yeah. I have to take notes before I forget. Um, do you have a pen?”
  (そうだ。忘れる前にメモをとっておかなければ。えっと、ペンを持っています  
   か。)
社:“Pen? Me? Yes, I do. Why?”
  (ペン。わたしですか。はい、もっています。なぜですか。)
ビ:“Ah, I mean, can I use your pen? ((ペンを使う仕草))”
  (えっと、つまり、ペンをお借りしてもよろしいですか。)
社:“Oh, yes of course. ((胸ポケットからペンを取り出し)) Here you are.”
  (ああ、もちろん。どうぞ。)
ビ:“Thanks.”
  (ありがとう。)

 この日本人社員は、ビジターが「忘れる前にメモしておかなきゃ」と早口でいったのが、おそらく聞き取れなかったのだろう。しかしながら、中学校の英語の教科書でおなじみの“Do you have a pen?”については馴染みがあり、かろうじて聞き取ることができたようだ。そこで、教科書でおなじみの返答“Yes, I do.”と返してはみたものの、コンテクストが把握できていなかったため、“Why?”と聞き返した。結果的には、ビジターはペンを借りることができ、コミュニケーションは成立したわけだが、ビジターには余計な負担を強いてしまう結果になったわけだ。“I mean…(つまり、その)”と言い直した時のビジターの苦笑いが今でも忘れられない。

 以上の例は、業務内容とは直接関係のないシーンでの会話だったからまだよかったものの、これが重要な会議の最中だったらどうだろうか。「この日本人は人の話を聞いていないのではないか」という悪い印象を与えてしまったかもしれない。場合によっては、相手からの信用を著しく失いかねない。ご自身の過去を振り返って、「もしかしたらあの時」と、心当たりのある読者の方も決して少なくはないはずだ。実は筆者も、過去を振り返ればこのような経験は数限りなくある。

TOEICテストPart 2をうまく活用する


 さて、このような問題点を踏まえて、これからの英語学習をどうデザインしていくべきだろうか。まずは、「受験英語的マインドセット」から脱却する必要がある。「何を今更」と思われるかもしれないが、企業研修を通してビジネスパーソンの学習の様子を見ていると、英語に苦手意識を持つ学習者の多くは受験英語の癖が抜けていない傾向が強いことに気づかされる。反対に、ビジネス英語の実践を視野に入れた学習を行っているビジネスパーソンは、ある言語表現がもつ役割り(pragmatic function)に注目しながら学習を行っている。したがって、先の例のように“Do you have a pen?”という表現を聞いたときに、とっさに行間を読んで、“Can I use your pen?”という含意があることを理解できる。

 このような言語表現がもつ機能に着目した学習を進めるためには、TOEICテストのPart 2質疑応答問題を活用するといいだろう。Part 2は、ある一文を聞いたときに、その返答として最も適切なものを後に読まれる3つのセンテンスの中から選ぶという問題だ。読み上げられる文は問題用紙に印刷されていないため、音だけを聞いて判断しなければならない。例えば、以下のような問題がある。

質問:Have you got the time, please?
(A) I’m very sorry, I am busy now.
(B) It’s half past six.
(C) That’s a good timing.

(A)「すみません、忙しいのです。」を選んだ方は、残念ながら不正解だ。Have you got the time? (BrE) / Do you have the time? (AmE)は、多く日本人の耳には「今、お時間よろしいですか。」という表現に聞こえる。しかし、the timeとは、「今現在の時間」という意味で、この質問文の真意は「今、現在の時間を持っていますか=今何時かわかりますか」という意味になる。したがって、答えは(B)の「2時半です」が答えになる。また、(C)「ちょうどいいタイミングでした
は、文脈にはあわないため不正解だ。

 時間を尋ねる表現としては、“What time is it now?”(掘った芋いじるな、の空耳でおなじみ)の方が馴染みがあるかもしれないが、この表現は日本語に訳せば「今何時ですか?」という意味になる通り、相手が確実に時間がわかることが前提で尋ねる表現であり、友達同士での会話ならまだしも、ビジネスシーンで用いる表現としては少々押し付けがましい。

 また、余談だが、Please …という表現について、「丁寧な依頼」だと思っている方が以外と多いが、実はその限りではない。そもそも、“Please speak a little more slowly.”などの表現を見れば一目瞭然だが、Pleaseという言葉は命令形にそえるだけの言葉で、日本語では「〜ね?」ぐらいの意味にしかならない。したがって、さっきの表現はネイティブの耳には「もっとちょっとゆっくり話しなさいね」と言っているように聞こえるわけだ。

 なんらかの依頼を行う際、相手への最大限の配慮が必要とされるのは洋の東西を問わない。英語では、この配慮を助動詞(can, could, may)を用いた表現を用いて行う。先ほどのTOEICの問題のように、“Have you got the time, please?”or“Do you have the time, please?”も依頼表現としては少々押し付けがましさがあり、より丁寧に言うためには“Could you tell me the time, please?”などとしたほうがいい。

 TOEICテストPart 2で正答率を上げるための鍵は、このような言語表現のもつ役割に注目することにある。また、このPart 2は受験英語のマインドセットから脱却して、実用のためのビジネス英会話の練習としても効果的である。最近、TOEICテストでの点数を昇格基準として設定する企業が増えてきている。英語学習のマインドセットを変えることで、TOEICテストの点数アップも視野に入れつつ、ビジネス会話の実践練習もできれば、まさに一石二鳥だ。
(つづく)

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■■■執筆者プロフィール■■■

-1.jpg 佐藤洋一(さとう・よういち)
 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期修了退学。現  在、青山学院大学、放送大学でも教鞭をとる。ビジネス現場での実践 と、学術的な観点の両側面からグローバル時代のビジネスコミュニケ ーションのあり方を模索している。著書に『グローバルビジネス英会 話Basic』(共著、アルク、2011年)、『グローバル化時代の外国語 教育学研究』(共編著、MAYA consortium, 2014年)、最近の論文に “BELF in the Context of Globalization in Japan: A Challenge from Expanding Circle”(単著, 2015, KLA Journal Volume 2)など。2015 年からはコスモピアでも研修講師を担当。
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2015年03月27日

寄稿「社内英語公用語化」への取り組みとその問題点〜多聴多読マガジン4月号別冊『英語スピーキングに強くなる』より−2−

 前回に引き続き、多聴多読マガジン4月号別冊『英語スピーキングに強くなる』に佐藤洋一氏より寄稿いただいた「社内英語公用語化」への取り組みとその問題点、についての掲載の2回目になります。グローバル人材育成の一助として、ご参考にしていただけましたら、と存じます。

(2)見解の一致の示し方の問題点

 これとは対照的に、見解の一致を示す際、日本人同士では「沈黙」を用いることがある。例えば、「それでは、本日提示されたプランで、今後事業展開を進めていくという形でよろしいですかね」のようにコンセンサス形成を図る際、日本人同 士でははっきりと「YES」を言わず、「沈黙」し、何も言わないことで一応の合意を示す場合がある。

 一方、外国籍の社員の場合、この「沈黙」が合意の意味になるかを頭ではわかっていても判断し難い。後で「自分はそんな決 定は聞いていない」と悶着を起こし、いわゆる「KY(空気が読めない)外国人社員」という扱いになってしまうことも少なくないという。

 グローバル化を目指して、英語を公用語としたはずが、「英単語を用いて日本語をしゃべっているだけ」で、いわゆる Japlish を公用語とするグローカル化を引き起こす結果となってしまっている場合が多いことは否めない。

 「自分も英語がペラペラ話せれば」、と夢見る日本人社員はとても多い。これからのグローバル化を見据えた企業の英語公用語化への取り組みは、このような 目標を現実にするための斬新的な取り組みとして評価できる側面も多い。しかしながら、日本人社員の英語力が向上し、英語を媒介としたビジネスコミュニケーションの機会が増えてくることに連れ、顕在化してきている問題もある。

 例えば今回の事例でもある通り、表面上は「英語をペラペラ話している 」ように見えても、実際には内容が伴わない、文字通りうすっ「ペラ」な英語を話している場合は少なくない。もちろん、たとえうすっ「ペラ」な英会話だとしても、そのレベルに到達するために、本人はかなりの努力をしたはずであり、この努力は賞 賛されるべきである。しかしながら、そのような表面的な英語力だけでは、グロ ーバル化時代を生き残るための鍵にはな らないという認識は持っておかなければ ならない。

 今後さらにグローバル化に拍車がかか るにつれ、「英語がしゃべれるようになる」ことから、外国籍社員にもしっかり伝わるような 、「 評価される英語 」に昇華する必要がある。

 その目標達成のためには、とにかくがむしゃらに英語を学習するのではなく、直面しているビジネスを考慮に入れて、努力の方向をより実りあるものにする必要がある。このような考え方は、English for Specific Purpose (ESP、特定の目的のための英語)とも言われる。プレゼンテーションや会議、電話、メールなど、スキル別での英語学 習ももちろん効果的だが、これからのグローバル化社会に求められる英語使用、特に以下の3つのポイントを踏まえる必要があるだろう。

(1)日本語と英語のロジック(論理展開) の違いをしっかりと意識し、「相手に伝わる」、かつ「評価される 」英 語を話す。

(2)コミュニケーション(特に情報伝達上)の問題が起こった際、問題解決に 取り組み、常に正しい軌道(on the right track)に戻るためのストラテ ジー(方略)を身につける。

(3)対立を所与のものと捉え、臆せず異 文化に対峙していくためのグローバ ル・マインドセットを養成するための異文化適応能力を身につける。

 以上の3点の中で、特に急務なのは(1)と(2)である。
 これらの能力は、自己学習を通して身につけるのは容易なことではない。より効果的な英語使用能力を育成するためには、企業英語研修のあり方も抜本的に見 直す必要がある。

 具体的にどのような項目、そしてどのような言語表現が必要であり、そのためにはどのようなカリキュラムを組む必要があるかについては、引き続き論じていくので、ぜひ参考にしていただきたい。
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■■■執筆者プロフィール■■■

-1.jpg 佐藤洋一(さとう・よういち)
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期修了退学。現在、青山学院大学、放送大学でも教鞭をとる。ビジネス現場での実践と、学術的な観点の両側面からグローバル時代のビジネスコミュニケーションのあり方を模索している。著書に『グローバルビジネス英会話Basic』(共著、アルク、2011年)、『グローバル化時代の外国語教育学研究』(共編著、MAYA consortium, 2014年)、最近の論文に“BELF in the Context of Globalization in Japan: A Challenge from Expanding Circle”(単著, 2015, KLA Journal Volume 2)など。2015 年からはコスモピアでも研修講師を担当。
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posted by Paperback Writer at 23:54| Comment(0) | 日記